ザ ホスト 美しき侵略者

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ティーンエイジャー向けTVドラマ映画

30点

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全米で大ヒットを記録した「トワイライト」シリーズのステファニー・メイヤーによる小説を、「TIME タイム」「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督、「ラブリーボーン」「ハンナ」のシアーシャ・ローナン主演で映画化。戦争も飢餓もなくなった近未来の地球に対し、「ソウル」と呼ばれる地球外知的生命体が侵略を開始する。ソウルは人間に寄生して宿主の意識を奪っていき、逃げ延びたわずかな人類は、逆襲の機会をうかがいながら地球の片隅で生きながらえていた。そんな人類の生き残りのひとりである少女メラニーは、ある日ソウルに寄生されてしまうが、消えたはずの意識がよみがえり、ひとつの体に人類とソウルの2つの魂を宿した存在となる。ソウルと滅亡の危機を迎えた人類との戦いが続く中、両者の魂を宿すメラニーはある決断を下す。
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いやー、世田谷文学館では「日本SF展・SFの国」が開かれ(とても楽しみ)、桜坂洋によるラノベがハリウッドで映画化されたり(まあまあ楽しみ)と、ここのところ、SF熱が高まっている気がしています。
まあ、すでに娯楽の一大ジャンルを築いているSFですが、なんとなく最近はより一般的になってきたような気がするんですよね。
さてさて、そんなことも関係してか、都内でも(この規模の映画にしては)割と上映館数の多い『ザ ホスト』を観てきました。

よかったところ
○1人の人間に2つの精神が宿るというキャラクター配置
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うえにも書いておりますが、1人の人間(メラニー)が殺され、その体にワンダラーという精神が入れ込まれる。しかし、メラニーの精神力は強く、その体のなかにはメラニーとワンダラーというふたつの(生まれている星の違う)人格があるという設定。
もちろん見た目はメラニーという1人の女性。その女性の中にいるメラニーを愛する男と、ワンダラーを愛する男が現れるという設定は唯一アガった。
原作だと、もう少しメラニーとワンダラーとの葛藤にボリュームが割かれるんだろうな…というほど、あっさりとした表現でしたが、この設定はなかなかナイス。

よくなかったところ
×話をそぎ落とすことのできない脚本力
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全3巻の小説(日本語版の場合)を映画化した本作。
原作は未読ですが、脚本家の方は“小説の要素を余すことなく伝えなければ!”という要請に駆られたんでしょうね!!!ということが手に取れるほど、120分強の映画に、1人の人間に2つの精神が宿った状態で、兄弟愛、異性愛、血族愛、他者愛といった様々な要素を詰め込んだつくりとなっているので、どれも中途半端。
原作ありきの脚本は、原作のエッセンスをそのままに映画向けに最適化を行うことだと考えているので、この盛り込みようはちょっと…

×安易な音声
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物語のうえで重要なガジェット(金属製)を取り出すファーストシーンでは「チュイーーーーン」という、いかにも「はい、この金属製ガジェット、大事なアイテムですよー、神秘的ですよねー」とシーンごと、アイテムごとに必要以上に“あけすけ”に音をあてるのは、下手くそなな日本映画を見ているようでした。しかもそのどれもがフリー音源かのようなショボいる音!いいのかこれで!

×SFへの愛の無さ
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「このようなことを描きたいから、このキャラクターはこうして、舞台設定はこうして…」というような、作者の伝えたいメッセージから逆説的に物語を紡ぐというトートロジーは、ごく一般的なスタイルだと思いますが、ことSFに関してはどうでしょうか。
『ブレードランナー』しかり『AKIRA』しかり『デスレース2000』しかり、その設定がメッセージと同等に面白いものだからこそ物語にノれる。もしくは、その舞台設定こそが批評的かつ面白い。というものだというのが、私のSF観なんですよね…
それに比べ、この映画は…
せめてまともなメッセージくらい用意しろ!シット!

と、怒りに震えてきましたが、トワイライトシリーズで知られる原作者ステファニーメイヤーの同名小説を映画化したという本作ということで、ティーン向けの作品になることは仕方ないことかもしれませんね。
異常に多いキスシーンに比べ、セックスシーンはわずか1度…
SFにも関わらず、サスペンスフルで「わくわくどきどき」するシーンはほぼ皆無で、ピースフルな恋愛物語がディストピアのなかで紡がれていくという映画でした。原作者のステファニーメイヤーがモルモン教徒だといわれて、なんとも納得、といったところ。
Cまでいってない(これは死語なのか…?)、世の中の汚れに触れていない中学生カップルがデートで観に行く映画としてはおすすめです!!!

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