ラスト・ワールド

インテリの脳内を描くという手法で現実世界に立脚した謎SF!

20点

poster2

オープン以来、映画ファンからの熱い視線を集めるシネマカリテが選んだ、シネマカリテ“だからこそ”のセレクションでギュッと1か月の期間に凝縮し、皆様のもとにお届けいたします。とのカリコレ2014。
とりあえず足は運んでおかなければ!といった謎の義務感から行ってきましたよ。
「Mama」も「野のなななのか」も観に行きたいんですけどね…

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
核による滅亡から免れる10人を選べという課題に直面した20人の学生が、仮想空間で繰り広げるサバイバルを描いたSFドラマ。インドネシア・ジャカルタのインターナショナルスクールで、卒業を間近にひかえた哲学クラスの学生20人に、卒業試験として哲学の思考実験の課題が出される。それは「迫りくる核の大惨事に備え、地下シェルターに入るにふさわしい人間を、自分たちの中から論理的に選び出せ」というものだった。それぞれ架空の人物設定を与えられ、終末世界を模した仮想空間に放り込まれた20人は、早速議論を開始するが、次第に心理に変化が生じ、さらには仮想と現実の境界もあやふやになっていく。出演は「ハリー・ポッター」シリーズのボニー・ライト、フレディ・ストローマら。新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2014/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2014」(14年5月17日~6月13日)上映作品。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(この紹介文はだいたい毎度映画.comさんから引用させていただいているんですが、うえの紹介文はちょくちょく誤りがあります)って最近よく書いている気がしますね…
マイナーな映画になればなるほど、ミスリードを誘うあらすじが多すぎる…

もちろん見てきた劇場はシネマカリテ。やっぱり話題になっているようでほぼ満席の客入りでしたよ!
従業員の方の対応への批判でTwitter界隈は若干盛り上がっておりましたが、悲しいかな武蔵野館系列の映画館は大体あんなものですよね…

さて、ストーリーはどんなものかというと…(いつも以上にざっくり説明しています)
——
頭は良い物のクラスでは落ちこぼれ的な扱いを受ける主人公の男と、学校始まって以来の秀才の女は付き合っている。

二人がいるクラスが卒業を目前にして受ける授業は哲学の授業。

哲学の最後の課題として、思考実験の課題が出される。それは「迫りくる原子爆弾の大惨事に備え、地下シェルターに入るにふさわしい人間を、自分たちの中から論理的に選び出せ」というものだった。それぞれ架空の人物設定を与えられ、終末世界を模した仮想空間に放り込まれた20人

先生のトラップによって、何度も失敗を重ねる。(思考実験の中で)

しかし、実は先生はいかさまをしていた。

主人公の男と、その彼女の人物設定ははじめから決められていたものだったのだ。
なにかと先生から強く当たられる主人公の男。

主人公の彼女が私に全部任せて。と言い、最後のチャレンジ。
これまでは、生き延びていくため、常に理性的な判断を重ねていたが、今回は今まで選ばれてこなかったような、ハープ弾きや詩人、オペラ歌手(すべて設定としてあたえられた職業)を選択することで、幸せに1年間を過ごし、その思考実験を成功させる。

先生は才能ある主人公の彼女が、なぜ主人公のような男と付き合っているのか、その事実に嫉妬していたらしい。主人公彼女を口説こうとする先生、しかし、主人公の彼女である女は主人公を選択。

先生の自殺を思わせるシークエンスを挟んで映画は終了
——
といった流れです。

この映画のアイデアの斬新さは評価しましょう!
ただし、これまで誰もやってこなかったことをやった人は偉いというわけではない!ってことも分かっているんだろうな、制作者達よ!という気持ちです。
これまで誰もやってこなかったことには、おおむね何かしらの理由があるんだよ!と。

今回は基本的に怒り(なぜ怒っているのかについては後ほど記します…)にまみれた文章なので「ステキ」なものに囲まれて生きていきたい人は読まない方が賢明!です!

と前置きを書いたあたりで、いつも通り書いていくと、
よかったところ
○演出と監督の光る才能
lastworld_sub5_large
この映画、見ている時は基本的に飽きはこないんですよね。でもそれは突飛な脚本の力では無くて、演出と監督の力によるものだろうと。
こんな無理のある設定を飽きさせない映像に起こした演出家と監督には「びがっ」ですよ、本当に。

よくなかったところ
×リアリティ演出の酷さ
2_large
思考実験の設定は原子爆弾によって世界が滅亡するというもの。
にも関わらず、原爆が落ちた瞬間に発せられるセリフは「1時間後には放射能が…(うんぬんかんうん)」というもの。その前に確実に熱線が届いてますよね。
それくらいの勉強は映画を撮るうえで最低限必要な勉強だと思いますけどね!
最低限の事実を取り込まずして「リアリティ」を演出できると思っているんですかね!
もしくは、原爆に関してそれくらいの知識で良いと思っているんですかね!
ふざけんな!!!って話ですよ。
DHLD_POSTER12_19_ol_gokan
『ダイ・ハード/ラスト・デイ』での放射能に関する演出くらい反吐の出るアホ演出。

×伝えたいことの演出が真逆の意味で伝わってきてしまっている
1_large
うえにも書いたとおり、最後の思考実験では、ハープ弾きや詩人、オペラ歌手など創造活動に関わる人間をシェルターに入れる人間として選択することによって、その1年間楽しい生活が送れるんですね。つまり功利主義でないところで創造表現は皆に好影響を及ぼしていることを表現する演出なわけですが、それまでの展開があまりにもご都合主義であるばかりに、その演出すらもご都合主義に見えてしまう=ご都合主義としなければ、創造活動を好意的に評価できない、ように感じられてしまう…というのは考えすぎでしょうか…

リアルとリアリティの差分はありますが、リアリティをばっちり演出するためには、現実で想定されうる部分はリアルに演出したうえで、非現実的な部分を現実的に感じさせることが出来る(=リアリティがある)ようになるわけで…
この映画はその脚本の性質上、リアリティを持たせることが、ごく重要であるにも関わらず、リアリティ演出を縁の下で支える「現実で想定されうる部分はリアルに演出」することができていなくて、大変残念でした…
あと、その映画で伝えたいこと、それに対してミスリードを孕んだ話の運び方はいかがなものでしょうか…

ま、時間とお金がある人には…………おすすめです!!!

広告