ゴール・オブ・ザ・デッド

フランス(ゾンビランド+サイモン・ニック作品)作品としての完成度

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80点

日本人同士のマッチアップが期待されたミラノダービーのキックオフが待たれる中見てきた作品「ゴールオブザデッド」。

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人気サッカーチームの試合に一体のゾンビが乱入したことから、ゾンビ化したサッカー選手と人間が大乱闘を繰り広げ、スタジアムが阿鼻叫喚の巷と化すフランス発のゾンビ映画。怪しげな薬と注射器の入った小包を受け取ったサッカー選手のジャノ・ベルボーは、憎きライバルのサム・ロリに勝つため、その薬を自らに注射するが、そのせいでゾンビ化してしまう。一方、格下チームを相手に試合をしていたサムはレッドカードで一発退場となるが、そこへ入れ替わるようにゾンビ化したジャノがピッチに乱入。ジャノの吐く白い液体に触れた人間が次々とゾンビに変貌し、スタジアムは大混乱に陥る。本編の前半と後半をそれぞれ別の監督が手がけ、「前半戦 死霊のキックオフ大乱闘編」「後半戦 地獄の感染ドリブル編」と称して前後半をつなげ、1本の作品として公開する。
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(この紹介文はだいたい毎度映画.comさんから引用させていただいているんですが、うえの紹介文はちょくちょく誤りがあります)

武蔵野館で観て来たのですが、めちゃくちゃ人が少なかったです…(こういった作品、マイナーゾンビものは公開自体がレアなことですし、理解のある方はぜひ劇場に足を運んでいただいて、映画館でかかりやすい状況をつくりだしてもらいたいもの!)
そんな中やけに目立ったのがアベックの方々。観客の半分くらいはアベックだったんじゃないかなあ。あのオシャレウェブメディアCINRAで取り上げられていたからですかね。

写真
新宿武蔵野館ではこんな顔出しパネルが。

さて、ストーリーはどんなものかというと…
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リーグアンで低迷を続けるサッカーチーム「オランピック・ドゥ・パリ」。
そのチームでの古株であるサムは引退間近でチームの荷物に化してしまっていたなか、チームはフランス杯の試合に。
対戦相手は以前自身も籍を置いていた故郷カペロングのチーム。凱旋試合ということで、歓迎を楽しみにしていたサムだった。

そんな中、対戦相手のエースストライカー ジャノのお父さんであり医者である は、この試合に負けるわけにはいかない!故郷のチームを抜けてオランピック・ドゥ・パリに移籍していったサムに負けるわけにはいかない!ということでジャノに、ドーピングを打つ。
すると、なぜか彼の身体は急変。サムへの復讐心を持ったゾンビと化してしまう。

バスでカペロングに向かうオランピック・ドゥ・パリの一行。
バスの中では、チームに新加入したフランス人の黒人ストライカーイドリスが地元メディアから取材を受けていた。
その取材への対応の悪さ、生意気な態度にキャプテンであるサムはイライラ。
イドリスとサムは犬猿の仲だった。
↓(中略)
そして地元チームの熱狂的サポーターは発煙筒、チャントの準備に精を出していた。
そんな彼らを見つけだし、激怒するひとりの男。
どうやら彼らは、昔からの悪童とそれを指導してきた立場のようだった。

地元チームは、街に愛されまくっているチームらしく、その試合が開催される折には、みんな仕事をほっぽり投げて応援に出かけるほど。
2人の少女も御多分に洩れず、応援の準備を続けていた。

そんな中、無事カペロングの町に到着するオランピック・ドゥ・パリ一行。
凱旋を歓迎されるとワクワクしていたサムだったが、バスを降りた途端あたりは一瞬静まり返り、直後には大ブーイング。地元チームを飛び出しリーグアンのチームに移籍したサムにみんなが恨みを持っていたよう。(国内で言ったらサンフレッチェを飛び出した柏木、槙野。国外で言ったらドルトムントを飛び出したゲッツェみたいな感じですね)

試合前のロッカールーム。イドリスの元にプレミアからの移籍話が届いてくる。喜びを爆発させるイドリス。
移籍直前ということもあり、今回のような勝ちが見えている試合には出場させまいとする代理人だったが、オランピック・ドゥ・パリの監督は規律を求めるオールドスクールな男気溢れる監督だったため、絶対に出場させる!と息巻く

地元チームの監督はストライカーであるジャノが到着していないことを不審に思いながらも、試合はキックオフされてしまう。

一部のチームであるオランピック・ドゥ・パリは、キックオフ直後から相手チームを圧倒。
サムが相手陣内にドリブルでがつがつ切り込むものの悪質なファールの連続。しかし審判に笛を吹く様子はない。
街全体がサムに恨みを持っていたのだ。

それに業を煮やしたサムだったが、クリーンなプレーを続けていた。しかし不意なアクシデントで相手選手と接触してしまう。その行為に審判がくだした判定はレッドカード。

故意でないことをアピールしながらも、レッドカードが出されたことに怒り心頭のサムは審判をなぐってスタジアムから出ていく。

ロッカールームで帰りの準備をしていたサムのもとに応援に来ていた地元の少女が声をかける。性欲に正直なサムは一緒に飲みに行くことに。

そんななかスタジアムでは、熱狂的なサポーター達がピッチに発煙筒を投げ込み、スタジアムは煙もくもく。周りが見渡せないような状況となっていた。

煙で包まれた会場の中猛ダッシュしていく人影が。
なんと、ゾンビ化したジャノだったのだ。彼は「サムに復讐する!」と叫びながら、ピッチ、スタンド問わずあたりの人間に対し、吐瀉物をぶっかけていく。
そして、吐瀉物をかけられた人間はゾンビになっていき、辺りの人間にさらに吐瀉物をかけていく。

熱狂した会場は、ゾンビに包まれていくのであった。サッカー選手として金の卵であるイドリスを守ろうと監督、代理人の3人はそこから逃亡。

(すみません。ここから話が複雑になるので、覚えている範囲で箇条書きをしておくと)
ここからが第二幕。
ゾンビからの逃亡劇の間に
・サムに声をかけてきた少女は実はサムの娘だった
・悪童を指導していた男は、サムの父親であることが判明
・孫の存在を知り冷え切っていた家族仲は解消
・犬猿の仲であるそれぞれが対ゾンビに対し、結託しながら命からがら逃げ延びる。その間にお互いの反発心が融解していく。
・最終的にサム達はスタジアムに逃げ延びた。しかしスタジアムではチャントが流れている。その音に呼び寄せられたゾンビ達にサム達は囲まれてしまう。万事休すかと思われたが、サムとイドリスの間にはボールが置かれていた。そして、なぜかゾンビ達は彼らを襲ってこない。
ゾンビ達はサッカーをしたがっていたのだ(なぜ?!)。
・ボールを蹴り出し、ゴールに向かうサムとイドリス。ドリブル、パスの交換をしながら、ゾンビをなぎ倒していく。(頭部をサッカーボールキック)
・すると、ジャノがピッチに到着。サムに詰め寄り、彼の首を掴んで高く持ち上げる。彼とサムは、昔同じチームでサッカーをしていたのだ。サムがチームに残ってさえいれば、リーグアンに上がれたであろう地元チーム。しかし、サムはオランピック・ドゥ・パリからの誘いにほいほいと乗っかり、移籍してしまった。それによってチーム、ないしは息子の人生を狂わされたと感じていたジャノの父親がジャノにドーピングを打っていたのだ(ただし、それによってゾンビ化することは想定外だった模様)
・首を掴み上げられたサム、死の直前ジャノに対し「お前のことは親友だと思っている」と過去に一緒にプレーした時の思い出を語る。するとジャノの腕の力は弱まり、ゾンビとなっていたにも関わらず、2人の仲は当時のものへと融解していく。
と思わせた途端、コーナーフラッグを持ったイドリスがジャノの心臓を後ろからぶすり。 ジャノは絶命してしまう。
——
といった流れです。

いや、とにかく予算の少なさ(ゾンビの伝染手法は噛みつきではなく吐瀉物吐きかけだったり、ゾンビが出るシーンはだいたい暗かったり、試合会場の驚きの暗さだったり)を感じさせる映画なんですが、それに負けないレベルのごった煮感で楽しい映画でしたよ。残酷シーンもほぼほぼ無いですし、アベックの方々も鑑賞後に気まずくなることはない仕上がりなんじゃないかなーと思いながら、1人帰路につきましたよ!

さてさて、いつもの通り書いていくと、
よかったところ
○殺害方法
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パワーウインドウで首ちょんぱ。膝建ちのゾンビの頭部を跳び蹴りでぶっ飛ばす。
やっぱりこういう類の映画ですからね。殺し方がスマート&フレッシュであって、なんぼのもんでしょう。よかった。

○超現実的なラストシーン
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イドリスとサムがゾンビとサッカーをするシーンの超現実感!
なぜかルールを遵守するゾンビの群衆VS犬猿の仲だったサムとイドリスという座組は、抱腹絶倒ものながらも「やったれ!」と思わず声を上げたくなってしまうような1シーン。

○作り手のやりたいことが手に取れるバイブス
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ゾンビ+群像劇+フレンチコメディ、とにかく要素を詰め込んだゾンビ映画を撮ろう!という点はもちろん
物語を駆動させる一つの要素に、才能のあるサッカー少年を大人のマネーゲームに巻き込むこと、その悲惨さへの批判(あ、韻踏んだ)があるのですが、そのシーンは本当に辛辣であり、現在のサッカーを取り巻く現状に対する見事なストレートパンチといいますか。分かりやすすぎるくらい分かりやすいのですが、アガりました。
ゾンビ映画は、なにがしかへの批判というアティチュードが大切だ!と思う古い人間なので、とてもよかった。
(あとでホームページをチェックしてみたところ、経済的・製作プロセス的な理由から2つの企画を1本にまとめたそうですね。監督たちは楽しげに答えていました。

よくなかったところ
試合開始直後のカメラワークの酷さ
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製作プロセス的に細かいものを挙げるとキリが無いのですが、それを置いておけるレベルでよかったところ、楽しかったシーンが多かったので、忘れてしまいました…
しかし!前半の試合開始直後のカメラワークは最悪!
どこでなにが起こっているかわからないアクションシーンってありますよね。今作(の前半)は間違いなくそれでした。

その他に挙がるのは、歪すぎる構成。
前半は50分くらいかけて人物紹介のみを行います…と書こうかと思ったのですが!前半は『ザ・ホード 死霊の大群』で知られるバンジャマン・ロシェ、後半は『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』のティエリー・ポワローが監督。と、1つの映画を前後半でぱっくりと2つに分けて製作していたようなので、この歪な構成も納得。
(ロシェは「前半は人物紹介だけやっておいたぜ!」という、さながら中田英寿のキラーパスのように、ポワローへストロングスタイルなキラーパスをぶちかましていたということで…)

いやー、
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『オフサイドガール』
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『少林サッカー』
に並ぶ俺の好きなサッカー映画ですわ…
サッカー映画と呼ぶのかは不安ですが…
フレンチギャグはほとんど笑えない!そこが最高!!!
だめな映画だけどわたしは大好きです!!!
おすすめ!!!

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