THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章

イングラムの実在感にはアがるものの、拭いきれない深夜ドラマ感…

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30点

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人気アニメ「機動警察パトレイバー」をドラマシリーズ(全7章)と劇場長編映画で実写化するプロジェクト「THE NEXT GENERATION パトレイバー」のドラマシリーズ第1章。ロボットテクノロジーの発達により汎用人間型作業機械「レイバー」が普及したものの、長期的不況に陥った2013年、警視庁のレイバー部隊・特科車両二課パトロールレイバー中隊(特車二課)は、お払い箱になりつつあった。第1章は、特車二課最古参の整備班班長シバシゲオが特車二課の歴史を語る特別編「エピソード0 栄光の特車二課」(14分)と、久々に下された出動命令に色めき立つ特車二課が、工業用レイバー・クラタスを相手に奮闘する「エピソード1 三代目出動せよ」(48分)の2話で構成される。総監督はアニメ版も監督した押井守。
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仕事が忙しくて(毎回書いている気がする…)なかなか映画を観れていないのですが、これだけは見逃せない!と熱にうなされながら見てきましたよ『THE NEXT GENERATION パトレイバー』

このブログでも何度かにわたって紹介してきたように、大期待のなか観てきましたが、上でつけている点数を見ていただければわかる通り、まあ期待はずれでしたよ!!!

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いつもこのあたりで、物語の流れを書いているのですが、今作は全7章12エピソードのうちの1章2エピソードということもあって、人物・設定紹介にとどまるもの。警視庁のレイバー部隊・特科車両二課パトロールレイバー中隊(特車二課)の怠惰な日常を描いただけのものなので割愛。
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というか、これがストーリーの紹介といっても過言ではないレベルで何もおこりません。(特車二課の日常を描くための何もなさなんでしょうが)それだけを1時間弱もの間映画館で「映画」として見せ続けられるのはなかなかな苦行でした。

池袋のシネマサンシャインで見てきたのですが、案の定観客はほとんどが単身男性。
ちなみにパトレイバーの次に上映される映画は『アナと雪の女王』ということで、上映終了後にロビーに出るとカップルばかり。ディズニーとロボット映画の違いをひしひしと感じました…(『アナと雪の女王』も見ましたよ!号泣しましたが、100分間にわたる「Let It Go」のPVを見たんじゃないのか…?というのが観賞後の感想)
 
 
さてさて、話がそれかけたところで本筋に戻しまして、
よかったところ
○イングラムの実在感
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まあ実写化ということで、誰もが期待しているポイントですよね!
動いているシーンは(残念クオリティな)すべてCGでしたし、細かいシーンではイングラムの腕がぷるぷると震えていたりしましたし、安っぽさが見えなかったというと嘘になってしまいますが、あのサイズのイングラムをつくって、しかも映画で使うという心意気は素敵!
イングラム出動時に電源コネクタのような部分を抜く瞬間の質感表現などのイングラムまわりのフェティシズムはとても良かった…
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現実にも存在するヒューマノイドロボット用インターフェース“クラタス”は重厚感もあってすばらしい。bigup!水道橋重工
しかし、僕にとって良かったポイントはこれだけ!
なんとも趣味の世界だねえ!

よくなかったところ
×細かい箇所へのこだわりのなさ
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タイピングしている男の手の動きが明らかに同じ列のキーしか叩いていなかったり、歯磨きの音があきらかにおかしかったり、そういった細かい部分にこだわらないことは意外とバレるもので、一度気づいてしまうとその雑さが終始気になってしまうんですよね…
小物づかいも、必然性のない安易なものばかり。コミックLOだとか、デリダやフーコーの本だとか、みんなで深夜に見ているTVが牙狼だとか…
整備班の人間の服はほとんど真っ白ですしね!!!
物語でかみ合っている小物は、太田莉菜演じるロシアから来たエリート“カーシャ”が吸っていた煙草が旧ソ連時代のたばこ「KOCMOC」だった点くらいのもの…

×実写ではキツい押井演出

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『立喰師列伝』や『トーキング・ヘッド』などでビンビンにその線を発揮させていた実写版押井演出は健在。
カットごとの間延び感、アニメ的な過剰演出。
さすがに“出動警報→誤報おち”をカットも同じく天丼ギャグをかまされても、実写では寒いだけ…
整備班の歌とともにかますマスゲーム的ダンスだとか、昼休憩にみんなそろって行っている拳法シーンとか、上海亭の調理シーンとか…ことごとくギャグがさむい!警察がなぜか草刈りしていたり、あり得ないシーンばかりでもう嫌になる!!!
ゆうきまさみコミックの魅力は、ありえない警察の日常をさもありえるかのように描いていたバランス感覚、くわえてその創作物に社会批評的な芯があった点ですが、今作はそのどちらも感じられず。
「自分が普通の映画を撮ったところでなんら存在意義が無く、映画を発明するのが自分の役割」と押井監督が言ったことは有名な話ですが、なんら発明してませんよ、押井監督!
これじゃ老害と言われても仕方ないですよ!

×今作を劇場で「映画」として見せる作り手の気持ち…
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うえにも書いたとおり、映画は特車二課の緊張感のない日常が延々繰り返されるというもの。これを1時間弱もの間、映画館の暗闇で拘束された状態で見せ続けることがわかっていながらもGOを出した製作陣の気持ちはさっぱり不明です…

イングラムが動いているシーンの少なさ

第1章ということで、しょうがない部分もあるかとは思いますが、あまりにも少なかった(+雑なCG)のは非常に残念。
原作では、イングラムの登場しない回にはそういう回なりの面白さがありましたが、それも感じられず。
予告編を見る限り、イングラムの動いている姿は、これからもなかなかお目にかかれなさそうですね…
 
 
映画監督が顔なじみのスタッフを使って(○○組みたいな…)製作を行うことは、それが良い方向に転がる場合はあれど、悪い方向に転がってしまった場合、どうしようもないものになってしまうもので…今作はまさしくその後者と言えるかと思います。押井監督に異を唱えることができる人がいなかったから、これまでの押井作品となんらかわらない謎演出っぷり。
押井監督実写作品のファンの方にのみ、おすすめです!!!

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あ、真野ちゃんはかわいかった!!!

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