『混沌ホテル』

『混沌ホテル』(コニーウィリス ハヤカワ文庫刊)

以前の更新と同様、映画関連の更新ではないのですが…
最近読んだ書籍で「これはYAVAY!!!!!!」(©高野政所)と悶えた書籍がありまして、今回はそちらを紹介ですよ…一応元書籍編集者ですのでね…

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その本『混沌ホテル』
アメリカの女性作家コニーウィリス(出す本出す本どれもが分厚いことで有名らしい)の短編をまとめて編纂された1冊です。発行はハヤカワ文庫SF。
【コニーウィリス画像はいる】
不勉強ながら、これまで彼女の小説を読んだことがなく、もちろんその素性についても知らなかったんですが、
世界の2大SF大賞であるヒューゴー賞世界SF大会に参加するSFファンによる投票で決定される)とネビュラ賞(アメリカのSFファンタジー作家協会の会員投票で決定される)を合わせて13度も受賞されている、それはそれは大重鎮の作家さんとのこと。

そんな大重鎮作家の作品、しかも上にも書いた「ヒューゴー賞」と「ネビュラ賞」を受賞した単品作品のみをまとめたのが『混沌ホテル』です。
出版社の書籍紹介はこちら
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〈ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス〉SF界の女王のユーモア系短篇から、二大SF賞(ヒューゴー賞/ネビュラ賞)受賞作のみを集成したベスト・オブ・ベスト!
ハリウッドのとあるホテルで、なぜか国際量子物理学会が開催されることとなった。各地から名だたる学者が集まってくるが、量子論さながらの騒動が次々と発生し、事態はカオス化していく……ネビュラ賞受賞の表題作、短篇集初収録のクリスマスSF「まれびとこぞりて」、風刺SFの傑作「女王様でも」ほか、SF界きってのストーリーテラーのユーモア系短篇から、ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞作のみ全5篇を収録した傑作選。
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読書家とは言えない僕ですが、この小説を読んでいる時はそれこそ「面白すぎて夜も眠れぬような」読書への姿勢、割く時間。
小説を、それも短編物を読み返すことなんて皆無に近かったのですが、今作はひとつの短編を読みおえると、即座にその短編を読み返してしまうほど、夢中にさせられてしまうなにかがありまして「これはYAVAY!!!!!!」と…
 
 
その中でも特に俺の冷めた心を熱くさせたのが『女王様でも』という作品でして、物語の筋は…
やり手の女裁判官が主人公。彼女の娘であるパーディタがサイクリスト(生理になることを選択する女性たちの一派)になると言った(その世界では画期的な薬剤によって生理が無くなってしまっている!)ことから、そのパーディタの前衛的な考えを改めさせようと、散り散りになっている家族が再集結し、どたばたの論争劇を繰り広げるというもの。
ラーメンズの小林賢太郎が言う「非日常の中の日常」を地でいっている作品。
なんといっても、生理がない世の中ですからね。
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作品のテンションとしては『おとなのけんか』のような感じ。
ぜひ映画化していただきたいところ!
本国では、フェミニストの間で大きな論争が巻き起こったそうです(そりゃそうだよな
このオチがまた絶妙にシニカルなもので大変すばらしかったので、今回の更新ではこちらをおすすめ!
(私用、仕事でなかなか映画を観られていないなかの苦し紛れの更新!)

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