ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた

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92点

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B級テイストあふれるマニアックなインディーズ映画の数々で注目されるカナダの5人組映像作家集団「アストロン6」が、米トロマ・エンタテインメントのロイド・カウフマンから出資を受けて製作したバイオレンスアクション。エロ・グロ・ナンセンスなどエクスプロイテーション(低俗ジャンル)映画の要素を満載し、世の中の父親ばかりを狙う猟奇殺人鬼ファックマンに父親を惨殺され、自らも片目を失った男エイハブが、復讐のためファックマンを地獄の果てまで追いかける姿を描く。カウフマン自身も出演している。
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『ファーザーズデイ 野獣のはらわた』観て来ました!
ビューティドラッギーストロングムービー!キタ!
最高でした・・・
“ジャパンプレミア”ということで、客席は9割弱の埋まりよう。(武蔵野館で1番小さいスクリーンではありましたけどね!)
素晴らしい!
いやー、よかったです!よかった!

早速本編についての話をしたいところですが、まずはインタビューから。
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江戸木さんの呼び込みで、毒々モンスターとともにカウフマン、そしてカメラマンとしてカウフマンの奥様が登場!
ちなみに左に写っているイケメンは、津野励木さんという方でして、ニューヨークで映画を学んだあと、トロマチームに入ってしまった奇特なイケメン。『ファーザーズデイ 野獣のはらわた』では翻訳を担当されているとのこと。イケメンにも関わらず、センスも良くて、インテリ!神は厳しい。
そして、左端にこそっと写っているのが、日本でトロマを話す際、絶対に外すことのできない映画評論家である江戸木純さんです。緊張する津野さんや、暴走するカウフマンを巧みにコントロールされていて、さすが!と思いましたよ。

ちなみにインタビューでも、トロマ節は炸裂しきり。
登場とともに「じぇじぇじぇ!」「押忍、押忍、押忍」「今でしょ」「倍返しだ!」「安堂ロイドです」と覚えたての最先端日本語を連発し、観客のハートをロック!
その後の話も、のらりくらりとジョーク9割。ひょうひょうとした喋り口は、さながら角打ちに居そうな飲兵衛のおじさんライクなスタイル。ただし、時折まじめな話にも触れてはいて、そのバランス感がとてもクールに思いました。
あと、基本的にずっと笑顔。素晴らしきショーマンシップ!それだけでいい人に感じらますし、笑顔、いいですね。画面越しで見ているいつものカウフマンとなんら変わりなく、大変素敵でした。
インタビュー終盤の、観客からの質問コーナーで「日本人で注目している監督は?」という質問を受けたカウフマンは「三池崇史(チキンオブザデッドは、カタクリ家の幸福から発想を得たとのこと)、歴史的に見ると溝口健二、鉄男でおなじみ塚本晋也、あと永井豪!(悪魔の毒々モンスター東京へ行くに出演した関連で)」と答えていました。
いやー、しっかりチェックしてるんですね!まあ仕事ですし、当たり前と言えば当たり前なんでしょうが、カウフマンが溝口健二を観ている姿を想像することは安易でないじゃないですか!(ちなみに、翻訳の方もカウフマンも“みぞぐちけんぞう”と勘違いされていましたが、それもご愛嬌)
Twitterでもこういった反応が多いようで、

そりゃ、確かにな。と思います。

フォトセッションを含め30分ほど、カウフマンショーを楽しんだ後に待ち望んだ『ファーザーズデイ 野獣のはらわた』の上映。
物語は、さまざまな要素を詰め込んでいて書き記すのが難しいのですが、

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ファックマンという殺人鬼が屍肉をむさぼる最凶のゴアシーン

メインキャラ3人の内、1人のホモくさい少年がファックマンによって、目の前で父親を惨殺される

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ホモくさい少年は非行癖があったので(ホモのチンコをしゃぶっている隙に財布を抜く)、それを見兼ねた父親は、神父による監督を依頼していたが、ホモくさい少年は神父に反発

悩んだ神父は、少年とどのように接するべきか神父先輩に相談。父親が殺された少年について喋ると、父親を殺した奴はファックマンという殺人鬼だということが判明。ファックマンを止めるにはエイハブという男が必要だと知らされ、彼を探しに行くことに

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野を越え、山を越え、ようやくエイハブのもとに辿り着き、ファックマン殺しに協力してもらうことに

そうこうしている間、ホモくさい少年は友達の男女に慰められていた。
3人が、女の部屋でリラクシンしていると、そこにファックマンが登場。目の前で男友達が惨殺される。

神父は神父で、先輩神父を殺されたことによって、ファックマンへの怒りがメラメラ

(このあたり経緯失念しました・・・)

とかく、エイハブ、神父、ホモくさい少年、
ホモくさい少年の女友達は、エイハブの妹であることが判明。そして、妹はファックマン殺しのための準備を着々と進めていたことも判明

4人で結託して、ファックマンを討伐するぞ!と意気込んでいたが、エイハブは妹を危ない目にあわせたくなかった。

結局、エイハブ、神父、ホモくさい少年の3人でファックマン討伐に向かうことに。

そこで、妹がファックマンに連れ去られたということが判明。

俄然、ファックマン殺しに熱がこもる3人

道中、車で並走するまで追い詰めるのだが、そこでエイハブは相手の車に飛び移った後、あっさりと投げ出され瀕死に。
他の2人は2人で、岩か何かに車をぶつけ、車は動かなくなる。

瀕死のエイハブを囲みつつ、暖をとりながら夜を明かす3人

飢えをしのぐため、ドラッギーなベリー(悪魔の毒々ベリー)を食べたことによって、(エイハブも瀕死で車も動かないという)現状の途方もなさに、もう死ぬしかないと思いつめる神父とホモくさい少年

エイハブの口にベリーを詰め込んだところ、エイハブは復活。

再度ファックマン討伐に向かう3人。割とあっさりファックマンの巣に到着。殺されかけた妹をそこでみたエイハブはガン切れ。

その場から離れようとしていたファックマンを撃ち、ヘッドストンプを繰り返し、オーバーキルのうえにオーバーキルを重ねるオーバーキルっぷりで、ファックマン討伐

(このあたり経緯失念しました・・・)

とかく、ファックマンはすでに地獄へ落ちており、現在はウイルス的なものが、人から人へと寄生し、その体を寄宿体として利用していることが判明
↓このあたりまでは、まだ普通の映画らしさがある
↓ここからがYAVAY!ブルースクリーンで合成したこと丸わかりな背景で
↓ドラッギーな世界観に包まれる!ビシビシ感じるトラッシュムービー愛!
そのウイルスのもとを殺さなければいけないことが判明し、喉元に銃弾を撃ち込み、地獄へと向かう3人

だが、神父だけは天国に到着してしまう。(この天国描写の安っぽさも最高。延々と白い世界が続いて、その後ろには裸の美女がわんさかと)神様を脅し、地獄に落としてもらうことに。
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なんと神様はロイドカウフマンが演じてILL!
↓地獄描写も最高なのですが、文章では表現しきれず・・・
3人仲良く地獄で再会!そこに再度現れるカウフマン。どうやら、バランスをとるため、天国と地獄ふたつの神様をしているとのこと。

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ファックマンのもととなった巨大な存在を発見。しかし、エイハブ謹製のメープルシロップをぶっかけると、みるみるうちに縮んでいき、赤ちゃんの姿に

エイハブ、容赦無く赤子をストンプ&ストンプ!

これで、とりあえず諸悪の根源は断ち切れたと安堵する。が、どうやってもとの世界に戻るのか分からず。

また死ねばいんじゃね?!と思った少年は、自分の喉奥を撃つが「死ねない」と悲しむ。バカ。

そこで、地獄に行くため3人がそろって銃弾を撃ち込んだ部屋に画面は変わり、物語は終了!
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あまりにも色々な要素が詰め込まれていたり、トンデモ展開の連続だったので、記憶の欠落、出来事の前後があるかもしれませんが、大筋こういった感じでしたよ。はい。

もっとバカバカしさを全面に打ち出した映画かと思っていたのですが、意外や意外。話の筋は真っ当で驚きました。
物語の筋は通したうえで、バカバカしい演出、適度な外し、トラッシュムービー愛を詰め込んでいるスタイルにはアンセムを送らざるをえないとうか、大好きですよ、アストロン6!!!

あと、Blu-ray上映だったのですが、えらく綺麗に見えました。きっとBlu-ray上映だと言われなければ気づかないだろうなというレベル。これは僕の目が節穴なだけなんでしょうけどね。

よかったところ
○トラッシュムービー愛
なんといってもこれに尽きる!
後半、地獄に行ってからの描写・演出は、2013年現在では映画館で見ることができないレベルの圧倒的迫力!
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ちなみに天国はこんな感じ
本編上映前、そして中盤で流される架空の予告編は、言わずもがなのグラインドハウスオマージュ。
しっかりとおっぱいが出てくる点もトラッシュカルチャーらしくて良い。

○そこはかとない映画愛!
エイハブの修行シーンはカラテキッドを、神父がエイハブを探すシーンはランボーを、地獄の描写はゲロゾイドを彷彿とさせる!
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この画像にピンと来たあなたは新年1発目の映画に『ファーザーズ・デイ』を!

○そしてトロマ愛!
主人公のつくっているベリーの名前が“悪魔の毒々ベリー”であることはもちろん、主人公の住んでいる町は、あのトロマヴィル!
 
 
よくなかったところ
×アフレコの質
本当に本当に些末なことですし、アフレコがずれている味もわかるのですが、強いてあげるとすれば!強いてあげるとすれば!といったレベルでこれだけ。
 
 
いやあ、どうしてもトラッシュムービーやトロマに対しての愛情で、そちらに偏った文章になってしまっておりますが「トロマなんて知らんがな」という方も、単純なホモソーシャルコメディスプラッターロードムービーとして楽しめるはず!
 
ものすごく単純化してしまえば、『ホットファズ』『宇宙人ポール』などで大人気の
(サイモン&ニックの作品群)-(1/2コメディ)+(下品さ)+(トラッシュカルチャー愛)+(ゴアシーン)
=『ファーザーズデイ 野獣のはらわた』
といった印象です。
ということは、全ての映画ファンに愛される作品であるはず!!!(これは流石に大げさですか)
 
 
ちなみに今作の公開は1月12日から。
そしてアストロン6製作の作品『マンボーグ』の公開は今週末12/21より。
どちらも新宿武蔵野館での上映となります。
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マンボーグのメインビジュアルはこちら。泣く子も黙るかっこよさ!
デートムービーとしてもおすすめですよ!!!
 
 
ちなみに超良質ホラー映画レビューブログ「ホラーSHOX[呪]」さんでアストロン6のDVDレビューがまとめられていましたので、こちらで紹介しておきますね。
アストロン6コレクション|Astron-6 Collection
ネット上で観られるものもまとめてくださっているので超オススメ!
管理人さんはアストロン6の作品群を「新奇的/刺激的/娯楽的/独創的」と評していますが、なんの異論もなく、まさしくその通りだと思います!

デートムービーとしてもおすすめな未来のカルト!!!
皆様、是非ともご鑑賞をば!

当日の様子をまとめたニュースもあがっていますね。
『悪魔の毒々モンスター』ロイド・カウフマン来日!「安堂ロイドです」と自己紹介?
「安堂ロイドです」ロイド・カウフマンの流行語連発に会場爆笑!

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