悪魔の毒々映画をカンヌで売る方法

悪魔の毒々映画をカンヌで売る方法
(『ファーザーズ・デイ 野獣の腹わた』公開にあわせてアンセムを。今こそ世界にトロマイズムを!)
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世界最低の映画会社トロマが、世界で最も権威のある映画祭、カンヌ・フィルム・フェスティバルで繰り広げる阿鼻叫喚!その一部始終を記録した、衝撃のスーパー・アクション・エンタテインメント・ドキュメンタリー大作!レッドカーペットを汚物で染めたり、ライバル会社に鬼畜行為を行ったりと、Z級映画売り込み作戦を繰り広げる。
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75点

(出先からの更新なので画像少なめです。今日中にはたくさん画像アップします!)

アストロン6による『マンボーグ』『ファーザーズ・デイ 野獣の腹わた』の公開が迫っているということもあり、そろそろこの人の映画について書いてみようか。という気持ちになったので、今日の更新では、私の人生ベストワン『悪魔の毒々モンスター』でよく知られるロイド・カウフマン、ひいては“TROMA ENTERTAINMENT ”を取り上げようかと。
どの作品について書こうか少し悩みましたが、『悪魔の毒々モンスター』でもなく『キラーコンドーム』でもなく『テラーファーマーズ』でもなく、ここはあえて極端に『悪魔の毒々映画をカンヌで売る方法』というドキュメンタリー作品について書いていこうと思います。
ちなみにこの映画、最近DVDを購入したのですが、渋谷TSUTAYAで1,000円のほぼ投げ売り状態!さすがトロマ!

まずは、全国民が知っておくべき基礎知識として、生意気なことは重々承知しつつも、ロイド・カウフマン、そして“TROMA ENTERTAINMENT”についての基礎知識を紹介させていただきますね!
ーロイド・カウフマン
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1945年12月30日ニューヨーク生まれ。
大学は、なんとかの有名なイェール大学。専攻は中国研究。同窓生には、オリバーストーンや、かのバカ野郎ことジョージ・W・ブッシュがいた。
映画のへ目覚めは、映画狂だったルームメイトの自主映画制作を手伝ったことからで、カウフマン自身も、在学中に2,000ドルの予算でコメディ映画『THE GIRLS WHO RETURNED』を撮影。大学卒業後はジョン・G・アヴィドルゼン監督作品の制作アシスタントをしながら、自らの作品の制作も続けていた。
そして、74年に大学の後輩であるマイケルハーツとともにトロマインクを設立。
その後も、コンスタントに作品制作を行い、現在に至る。
いまでは、ロジャーコーマンと並び称され「もう1人のB級映画の帝王」として、若い映画人から多大な尊敬を集めている!
インディペンデント映画界の伝説的人物!超大人気!

ーTROMA ENTERTAINMENT
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銀行からの借金を行わない超ホワイト映画制作会社。
トロマという名前の由来は「ラテン語でセルロイドの意味」と明言しているが、それはあくまでもトロマ用語です。
映画界には、トロマファンが多く、中でも有名なのはクエンティンタランティーノ。他にも、ピータージャクソンや『ゴーストライダー2』の マーク・ネヴェルダイン、 ブライアン・テイラーもトロマファン。
トロマ映画の現場は、コーマン学校と並び、業界体験型映画学校“トロマ学校”と呼ばれる。卒業生には『スーパー!』のジェームズ・ガン、『サウスパーク』のトレイ・パーカーとマット・ストーンなど。

といったところですかね。
「トロマの逆襲2013」の際のパンフレットを参照しつつ書きました。
えー、これだけ押さえておけば、立派なトロマニア(造語)!のはず!
トロマニアとか書きましたが、はじめてトロマ作品を観るといった方も余計な心配は不要。
ファンの一部の方は「(うっとりしつつも自虐的に)トロマ作品を観るうえでは、寛大な心が大切だ」などと言いがちですが、そんなことないですよ。
普通に、いたって普通に観れば良いはず!
“普通にいい”作品ばかりですから!普通に!
『悪魔の毒々モンスター』なんて、恋愛ものとして見ても、正義の物語として見ても素晴らしく、最近のありふれた“クヨクヨ悩むスーパースター”ものや、“いじめられっこの成長(価値再発見)”ものよりも、いくらか深遠なことを、馬鹿馬鹿しさに包みこみながら伝えていますし!

と、話が『悪魔の毒々モンスター』方面に それてしまいそうなので、このあたりで、本題『悪魔の毒々映画をカンヌで売る方法』について。

あらすじ紹介でも記していますが、この映画は、トロマご一行がカンヌで起こす乱痴気のさまをホームビデオスタイルで残したものです。
ただし、ただのドキュメンタリーで終わらないところがトロマスタイル。
一般の(ちょっとキマった)お客さんを映しながら、テロップには“ブリトニースピアーズ ”と入れたりする素晴らしきユーモア。

予想外の出費がおこるごとに、テロップで表示する自虐ギャグ(その出費は、ほぼ自己責任。トロマチームの一員がパフォーマンスの際に使った血のりでカーペットや大理石を汚してしまったり・・・)

ヴァン・クロード・ヴァンダムがカンヌに訪れる際は、以下のような感じでして・・・
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ほんと一瞬だけ顔を出してそそくさと退散するヴァンダム
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呆れきっている報道陣
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ただ忙しい、もしくは面倒くさいから退散したにもかかわらず、大はしゃぎのトロマチーム

こういった、自発的な珍道中のさまがおさめられたドキュメンタリー映画が今作です。
ただし、最後にはしっかりオチをつける!そこがトロマらしい!(そのオチについては後述)
攻撃的な卑屈というか、ルサンチマンを攻撃性として昇華しているというか、悲観的な状況になっても、それを笑いに変えることを忘れない姿勢、大好きです!
ドキュメンタリーさえもエンターテイメントとして昇華!

さあ、いつものごとく書いていきますね。
よかったところ
トロマチームの乱痴気騒ぎを楽しめる
なんといっても、これに尽きますね!
みんなアホやって、楽しそうで、それだけで幸せな気持ちになれますな。

作品というものに対する一貫したスタイル
ドキュメンタリー映画ではあるものの、ラストにはしっかりオチをつけている。
そのオチというのは、一年前にトロマチームが泊まったホテルの向かいはワーナーという超大御所。部屋には犬まで連れ込んできてやがる。
その犬へのちょっかいをはじめ、乱痴気騒ぎを起こしまくったトロマチームは、今年ホテルに予約ができなかった。
↓(ここからがラスト)
じゃあ、そのホテルで去年俺らが泊まってた部屋に誰がいるのか確かめに行ってみよう!

そこにはワーナーのチームが!そしてあの犬が〜!やっぱり俺らは…といった具合です。

一般的なドキュメンタリー作品からは、想像しきれないところにオチを持ってくる!アガる!攻撃的卑屈!

意外にも“映画祭”の実態、核心的な部分について触れている
カンヌ映画祭では、正式な上映の他に、誰かしらが行うパーティーで映画の上映が行われることが通例。
そういったパーティーのスクリーン上映権を800ドルで買い、自社映画を上映し、宣伝することを目論むトロマ。
パーティーには記者や映画関係者も招待される場合があるということで、そんな「大金」を支払うのだ!という事実。
単純になるほどなーと。
また、カウフマン本人のお言葉で「バイヤーが見てくれるなら、土下座でもフェラでもなんでもする。我々の作品を売るためだ。」といった発言があった。ほかのトロマ作品ではまず見られない一文、かつ、胸にぐっとくるお言葉。
 
 
よくなかったところ
×やりすぎ!
トロマ大好きな僕ですら「いや、お前それはやりすぎやろ!」と思うシーンがちょこちょこあります。
やりすぎ!と感じる境界線、ハードルは人それぞれでしょうが、それで嫌悪感”しか”抱かなくなる方も居るだろうなあ、と。
例えば、同じチームに居た人間のバッグに小便をぶちかます。とか、カンヌで汚い男がすっぽんぽんになって宣伝を行うとか、ボランティアの姉ちゃんを裸にして、乳首にあたる部分にトロマテープを貼るだとか・・・
 
 
 
そういったくだらなさをおおいに含んだ映画であることは間違いありません。この点を笑って過ごすことができるか否かが、トロマ作品をこれからも見るか否かの分水嶺なのでしょうね・・・
 
 
 
ということで、本編にノれるか否かは、鑑賞する人の倫理観にある程度は委ねられてしまいます。
ですが、このDVDは特典が超豪華!こちらは万人受けされうる魅力が詰まっている !
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なかでも、今を輝く映画監督へのインタビューは素晴らしいのです。
以下、大物監督の書き起こし。
ー イーライロス
学校に行く金があれば映画を撮れというけど、映画学校の卒業生としてどう思う?というカウフマンのぶっこみに対して
「学校は失敗するためにある。安心して失敗できる環境ってことさ、学生は誰でも失敗する。学校に行けば傑作が撮れる、というわけではないけど、思いきり実験できるし、失敗してもキャリアに傷がつかない。そこが最大のメリットだ。タランティーノのように独学の人もいるから、必ずしも行く必要はない。でも、いろいろ試すにはいい環境だ。」と。
続いて、卒業した後のことを聞かれた彼は
「監督になりたいなら、撮影現場で働くのが一番だ、僕は大学の4年間ただ働きをした。編集や美術の下働き、荷物運びといった仕事ま学生アカデミー賞をもらっても最初はただ働きだった。なるべく多くの現場で働いて、まずはしきたりや現場の用語を覚えることだ。撮影にかかる時間の感覚を養い、他人の失敗を見て学ぶ。リハーサルを怠り、ADが怒鳴るとどうなるか、監督が迷うとどうなるか。監督が優柔不断だと何億ドルかけても、士気が薄れていく。リンチの短編を撮った時は、的確な指示でスムーズに進み良い作品になった。皆よく言うんだ。2週間、助手をやれば十分だと。確かに仕事の基本は身につく。だけど、大切なのは現場の空気に慣れることだ。4:30に起きて、寝るのは11:30、食事は5分でかきこむ、それが映画づくりなんだ。構成や演技がどうこう言うのは2%にすぎない。ここの車がどかないとか、照明が足りないとか、ゴタゴタした問題をどう解消するかこそが大切。
僕は現場で10年下積みをした。出演者が目に怪我をして救急車を呼んだり、顔にアザをつくったことで撮り方を変えたりね。いろいろ経験したからどんなハプニングがあっても対応できる。」
「監督になる際に最も役立ったのは、キャンプ指導員の仕事さ。10歳くらいの子供をまとめて世話するんだ。”彼はクッキーを2枚持ってて君は1枚。だけど君のは最高に美味い1枚だ” “君のイスを誰かが占領している。でもこっちの方が座り心地はいい”ものは言いようさ。何事もいいように考えれば現場でもキレないし、撮るものに集中できる。何よりも重要なスキルなんだ。以前は内心、役者の首を絞めたくて!うずうずする事が多かった。でも今は”早く済ませようぜ”と思う。何をするにしてもね。」
最後に映画制作者への助言を聞かれたイーライロスはこう答える。
「ドラッグをやって、学校へは行くな」と。

ージョージ・A・ロメロ
これまでの一番の失敗は?
「映画業界に入ったことだよ。それは冗談だけど。失敗も何も、私にとっては映画こそが人生なんだ。」
配給についての最大の失敗は?
「それはリビングデッドについてだ。最初のタイトルはナイト・オブ・ザ・フレッシュ・イーターズでね、それをリビングデッドに変えられた。著作権の管理に慣れていなくて、権利を放棄したことになってる。著作権を持って行かれた。」

これ以外にも、『マニアック』のビルラスティングや、『デトロイト・ロック・シティの』アダム・リフキン、スタン・リー、ケヴィン・イーストマンら、正式にカンヌに招待された方々のインタビューが収録されています。面白い話、映画制作者としてはためになるだろう話の数々。
 
 
んー、これを観てどう思われるでしょう。きっとカウフマンの映画愛が伝わるはず!
いやはや、是非とも観ていただきたい!とかく、おすすめです!!!

ちなみにトロマは、今年もカンヌで暴れていたようです。
インディペンデント映画を守れ!おバカ映画専門会社トロマがカンヌで大暴れ!
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どこに泊まったんだろうか・・・

また、トロマは公式YouTubeチャンネルにて200本超の動画を無料で公開しています。そちらもおすすめ!
トロマ公式YouTubeチャンネル

そして、そして!
明日、ロイドカウフマンが来日ですよ!
冒頭で紹介した『ファーザーズデイ 野獣のはらわた』のジャパンプレミアで!

予告編も素晴らしい出来ですね。

前売り券は皆さん、もう確保されてますよね?(バカな前提!)
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ポストカードもついてきます!かっこいいですよ!

ジャパンプレミアについての詳細は武蔵野館ホームページをチェック!
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ちなみに前日の10時段階ではチケットの整理番号が28番!アツいぞトロマ!!まだまだ間に合う!!!

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