ウォールフラワー

ウォールフラワー

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52点

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1999年にアメリカで出版され、「ライ麦畑でつかまえて」の再来とも言われたベストセラー青春小説を、原作者のスティーブン・チョボウスキーが自らのメガホンで映画化。「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」のローガン・ラーマン、「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン、「少年は残酷な弓を射る」のエズラ・ミラーが共演する。小説家を志望する16歳の少年チャーリーは、高校入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられてしまう。誰からも話しかけられず、「壁の花(Wallflower)」のようにひっそりと息を潜めて毎日をやり過ごすことに注力していたチャーリーだったが、陽気なパトリックとその妹で美しく奔放なサムに出会い、生活が一変。初めて友情や恋を知るが、過去のある事件をきっかけに、3人の青春の日々は思わぬ方向へ転がり始める。
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いやあ、GTA5は本当に面白いですね。トレバー最高!他のキャラだとためらうような行為も、操作キャラをトレバーにしてる時は、なんのためらいも無く、ぶっこめるのが不思議。画面もアメリカ映画を観ているようだし、映画好きな人はそりゃハマるよなあ。
ちょっとググってたら、こんな素敵な動画がありました
何やってんの!?『GTA V』でトレバーに切り替えたらこんな事してた映像集

さてさて、観たかった映画(『タイトロープ~アウトサイダーという生き方~』)の上映時間を勘違いしていて
急きょ、近辺で上映している面白そうな作品はないのかと思ってヒットしたのが『ウォールフラワー』。(ちなみに、現在地から作品を特定するのには“ムビスケ”というアプリが、なかなか使い勝手いいですよ、オススメ)
どうやら、私の敬愛する映画『ロッキーホラーショー』が、作品の重要なアイテムとして用いられているとのことで「こりゃ時間勘違いして結果オーライじゃね?」などと考えながら、ヒューマントラストシネマ渋谷へと向かいました。

が!
いかんせんノれなかった。。。
IMDbでは8.0とかなりの高レート、Yahoo映画や映画.comでも星4弱と評判は上々な作品なんですけどね。
やっぱり、映画の好みは人それぞれだなあと痛感させられました。

僕は基本的に“ビッチが自分のことをビッチと認識せず、自分勝手な振る舞いで男を惑わせる”系(長い!)の映画には、拒絶反応が出るようです。男子校で育った呪いなんでしょう・・・そういう女に畏怖があるんすわ・・・
だから『500日のサマー』『モテキ』もキツい・・・まだ僕にとっては『ブルーバレンタイン』の方が優しいんですよ・・・(きっとこれは若さ=甘さの証拠なんでしょう)

えー、ストーリーはというと(大事なところが抜けてたりもするけど気にしない!)
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2ヶ月もの間、家族以外と会話をしていない文学好きな主人公チャーリーは、クラスでも目立つことはなく(かと言っていじめられている訳でもなく)、高校生活へと突入。

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そこに現れたのは、パトリックという中性的美男子。教師をからかい、多くの学生を和やかな雰囲気にさせていた彼が気になるチャーリー。
学校対抗のアメフトの試合の応援にかけつけたチャーリーは、応援席にパトリックの姿を見る。はじめは少し離れて会話をしていた2人だったが、パトリックの一声で隣同士で観戦することに。
すると、そこにサムという美少女が現れる。3人でアメフトを観戦した後、パトリックの運転で帰宅することに。

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それから、チャーリーは、パトリックの友達ということで楽しい学校生活を送る。ホームパーティーでガンジャをキメて、普段は見せない陽気な性格に。喋りでみんなを楽しませたり、超リア充。

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チャーリーは、サムと音楽の趣味が合うこともあり、サムのことが気になりはじめ、ミックステープを作ってはサムにあげるように。
また、パトリックとサムの3人で帰宅していた際、車がトンネルに突入するやいなや、サムは立ち上がり、その時かかっていた最高の曲(デヴィッドボウイのヒーローズ)でノリノリに踊る。その場でチャーリーは自分の居場所を見つけたと感じたそうです。

良好な関係を築いていたが、サムには彼氏が居ることが発覚。しかもその彼氏は大学生!(こういう趣味や性格では、どうしょうもない力の差を見せつけられて、女性を諦めざるをえないというのは辛いね!)

まじで不甲斐ないその彼氏とサムのようないい子が付き合っていることにモヤモヤを感じながらも、ロッキーホラーショーやパーティなど、いろいろ楽しいイベントを過ごすチャーリー。
なんだかんだあって、ついにサムとファーストキス!

だが、チャーリーは幼い頃、おばが事故死する直前に顔を合わせていたこと、自分のための誕生日プレゼントを買いにいく際に事故にあってしまったということで、その時のトラウマが幻覚として現れる。
サムはサムで、11歳の頃に性的虐待を受けていて、過去に傷がある。
はたまた、チャーリーにはじめに良くしてくれた最高の野郎パトリックは、ゲイ。それを周りにひた隠しながら生きていたにもかかわらず、逢瀬の現場を彼氏の親に見つかって、無理やり別れさせられる。

それぞれの傷について認知し、思いやりながらも、干渉はしない、なんとも大人な関係を保つ3人。
サムはと言うと、てめえからキスをしてきたにも関わらず、彼氏とは別れない。(もう、この時点で“あーこの女は“ビッチが自分のことをビッチと認識せず、自分勝手な振る舞いで男を惑わせる”系だ!怖い!としか思えなくなりました・・・)
そんな中、チャーリーはいつしか仲間内のどうでもいい、ちょっとブサイクな女の子と付き合うことに。

仲間内6人ほどでやったTruth or Dareで、“この中で1番可愛い人にキス”と問われたチャーリーは、隣に彼女がいるにもかかわらず、サムに迷うことなくキスをするなど、サムへの愛情を爆発させた。彼女からはフラれ、仲間内に入ってくるなとの通達がくる。

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だけど、ゲイであることがバレたパトリックがみんなからいじめられてるところを助けるという男らしさを発揮したチャーリーは仲間内へとカムバック。みんなと楽しく過ごす。

いろいろとあり(あんまり覚えてない・・・)パーティーの最中、チャーリーは雪の上で寝転がり、幻覚に支配され、病院へ。

病院のカウンセリングで、幼少期のトラウマが叔母から受けた性的虐待だったことを思い出し、トラウマを克服。

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卒業していく仲間たちを見送るチャーリー。彼氏が浮気していたという事実、そしてチャーリーの魅力に気づいたサムは、結局チャーリーと付き合うことに。

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長期休みで戻ってきた仲間たちと楽しく過ごすチャーリー。
始めの頃、チャーリーが自分の居場所を見つけたというトンネルに。
パトリックの車に、チャーリーとサムが乗り込み、チャーリーはボウイのヒーローズを聴きながら、サムがその時したように、車から身を乗り出し、幸せを噛みしめる。
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ってとこですかね。
いつものごとく偏見に満ち満ちたストーリーラインですみません・・・

そして、早速ですが・・・
よかったところ(画像が少なくて申し訳ないです・・・)
◯『ロッキーホラーショー』への深い愛が垣間見える。
面倒臭かっただろうに、しっかりとロッキーホラーショー本編の映画もフィルムにおさめていて素晴らしい。wikiによると、監督はRHSが大好きだそうですね。必然性があるかと言われれば、そこまでないのですが、この原作、映画自体カルチャー感の強いコンテンツをふんだんに用いて、情感を引き起こす作品なので、そこにケチをつけるのは『モテキ』のPerfumeダンスシーンにケチをつけてるようなもの。
必然性は無いながらも、残念なことにロッキーホラーショーのシーンが最もアガるシーンだった。もっとボリューム増やしてもいい、絶対。

◯思春期表現
付き合っている男が居るにも関わらず「あなたは、あなたを愛してくれる人とファーストキスをするべきよ」と言った瞬間、チャーリーにキスをするサムの女心!(そういう行動は心がえぐれるよ!)
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そして、
なしくずし的に付き合うことになった彼女にひどい扱いをしてしまうチャーリー!(周りの友人関係もあるし、なあなあな感じだ、大して好きでもない人と付き合う、仲良くする経験!誰しもあるよね!)
どちらもわかる。けれども思い返したくはない過去。
こやこれこういうのが思春期的ですよね、というシーンは本当に上手。

よくなかったところ(どちらも画像が無くて申し訳ないです・・・)
×原作にもとづいた構成で頑張ろうとしすぎ。もっと映画として換骨奪胎するべきじゃ・・・
架空の友人宛に、自身の心情を吐露する手紙を書くという行為は、小説という、物語を伝えるための手段や、方法が少ない芸術だからこそ有効なのであって、
映画のように、いくらでもその手段や方法がある中で、最も安易といって過言でない、“架空の友人への手紙”という“モノローグ”で心情を吐露させるというのは、あまりにもダサい。
(『ルビースパークス』のように主人公が物書きで、その書いたものによってストーリーが駆動されているくらいの設定が無きゃ、あまりにも安易。)

×あからさまにシーンの意図と結びつかない演出、わかりやすすぎる気の利いてる“風”演出、こなれない演出
観客が作品ごとに計れる、映画監督の1番の仕事は演出だと思ってるんですが、今作はその演出がことごとく暴投になっているんですよね。
例えば
主人公のチャーリーが、精神病棟に入院させられた際、治療のために、自身の過去について思い出したくない部分を思い返そうとする、ピリピリとした緊張感が漂うべきシーンで
あろうことか、監督は“丁寧に”180度ルールに従って、何度も何度もカウンセラーの顔を映す!まったく無意味!
そこはサムの顔をなめるように見せるべきでしょう!

他にも、主人公は幼少期に叔母から受けたトラウマで幻覚を見る設定なんですが、幻覚を思い出すシーンがなんとも稚拙。
ラスト10分ほどのシーン“幻覚によって、これこれこういう状況になってますよー”という説明を行う場面では、幻覚を何度も何度も、スクリーン上にフラッシュバックさせて見せる。
いやいやいやいや、何のためにそれだけのキャストを集めてんだよ!
そこは、役者の演技で見せるべきだよ絶対!
それだけで伝わるし、よっぽどスマートだからさ!

んー、まとめて、ざっくり言ってしまうと
これこれこういうことって、青春時代、ひいては思春期を象徴する出来事だよねー。
という設定、状況づくりは「いよっ!さすが作家先生!」と思わざるをえないほど、上手なものの
その思春期を象徴する出来事、環境、状況“もろもろ”をカメラを通してスクリーンに落とし込む。
という映画監督としての最大の腕の見せ所があまりにもお粗末
なんですよねー。

なんで、原作者がメガホンを取るということになったのかが甚だ不思議です。。(これこそ甚だおかしな上から目線だけど!)
もっと適役な監督はたくさんいただろうに。
僕の趣味では無いですが、ソフィアコッポラが監督してたら、どうだったろうなと思わされました。
向いている気がする。そういうタイプの映画です。

主題としては、いろんなカルチャーを取りまいて、友人たちと酸いも甘いも交遊を重ねて行く中で成長していく少年の物語なんでしょうが、僕には主人公が成長しているようにはとても思えない。と言うか、主人公が自分の力で成長していくという過程が一瞬たりともないからアガらなかったです。ヌルい!

カルチャー系の要素も本当に薄い!
別に『モテキ』が好みというわけでは無いですが、カルチャー感が売りなら、あれくらいやっても全然おかしくない。
カルチャー感が売りの一つであるはずなのに、ミックステープをマクガフィンのように軽く扱うのは、失敗というか。ミックステープの感想について、喋り合うシーンがひとつはあってもいいと思うんですよね。
カルチャー系の方々(恥ずかしながら自分を省みて・・・)は、ミックステープを作って(今だとオススメのYouTubeを教えあって?)、その感想について語り合うという行為を経験している方が多いと思うので、みんなそれなりに自分と重ね合わせてアガるはずだよなあ。
こう、演出方面で愚痴ろうと思えば、掃いて捨てるほどの感想が出てきてしまいます。
今作は普通に恵まれた人間が、多少の傷を抱えながら、それを仲間内でなめあって、はい成長しましたね。っていうあまりにもヌルい作品にしか感じられなかったんですわ、これは僕の心が歪んでいるんだろうか・・・

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『悪魔の毒々モンスター』のメルヴィンを観よ!あれが成長だ!成長は全てが良いことではなく、成長するからこそ発生する新たな問題を抱えつつも、一歩一歩前に歩んでいくさまが美しく、感動を呼ぶのだ!

と話が逸れてしまいましが、こう、“成長(この映画では成長してるのかどうかすら怪しいけど)=素晴らしく華々しいこと”と描くあたり、良くも悪くもカップルムービーかなあ。
はじめに書いたように映画の好みは本当に人それぞれですし、気を悪くなさらず、百聞は一見に如かず!!ですね!!!

2012年 アメリカ 103分
監督:スティーブン・チョボウスキー
製作:リアンヌ・ハルフォン、ラッセル・スミス、ジョン・マルコビッチ
製作総指揮:ジェームズ・パワーズ

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