殺人漫画

殺人漫画
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74点

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死を予告するWEB漫画の恐怖を描き、韓国で大ヒットを記録したホラー。ある日、WEB漫画「パート」を掲載するポータルサイトの編集長が無残な遺体となって発見される。被害者は死の直前に漫画作家ジユンの作品を読んでいたこと、その作品内容と被害者の死に方が同じであることから、刑事ギチョルは手がかりを得るためジユンのもとを訪ねる。ジユンは漫画はフィクションであり、事件とは無関係と主張するが、再びジユンの漫画と同じかたちで殺される被害者が現れ……。ドラマ「花より男子」「イタズラなKiss」などラブコメ作品で活躍してきたイ・シヨンがジユン役で主演し、鬼気迫る演技を披露。
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(早速ですが、このあたり映画本編と関係ありません)
ブルックリンパーラーにて大塚広子さんのDJ。
いわゆるジャズDJだけど、回す音楽はジャンル問わず、ジャジーなスメルのする音楽をバシバシと回し続けるのです。とてもよかった。特にアツかったものは、レコードも教えてもらって、いやはや満足。

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As rare / AZYMUTH

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Music New Poetry / David Murray


ちなみにDJプレイはこんな感じ。
こんな素晴らしいDJが回している中、酒を飲まないという選択肢は僕には無くて、ベロンベロンになるまで飲む。
その翌日、幸福感に満ち満ちた二日酔いの中観てきたのが『殺人漫画』です。
シネマート新宿で観てきたんですけど、今は亡きシアターNばりにスクリーンがちっちゃいのね・・・
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さて、長めの前置きとなってしまいましたが、ようやく本題に。

いやはや後味が悪い!!!
ミストばりに後味が悪い!!!
ジャンルで言うと、ホラーサスペンスにあたるのかな。サスペンスが軸でしっかりしたホラーが添え物にあたるようなかたちです。

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人気Web漫画のストーリー、描写と瓜二つの殺人事件が起こる

刑事はその漫画家に目を付け、人気Web漫画家は取り調べを受けることに

捜査の過程で、女共犯者の存在が疑われる

その共犯者の女とWeb漫画家は、お互いに孤独だったこともあり、惹かれあい、ともに生活をする間柄。なお、その共犯者と疑われてる女は幼い頃の出来事で、怨霊の声が聞こえる

現在は大人気のWeb漫画家は、初の単行本出版に至る際、利用していた元ネタがある。それは、共犯の女が聞いていた怨霊の声だった

その事実を知った共犯を疑われている女は、怨霊が人を殺めてしまうということを知っていたので、絶対に外には出させない、出版はさせないと抵抗する

単行本を出版するということで、ようやく日の目を見るきっかけが掴みかけていたWeb漫画家は、共犯を疑われている女を殺して、文句を言えないようにし、単行本を発行する

それ以来、Web漫画家は怨霊に取り憑かれ、彼らに見させられるさまざまな映像に悩まされる。しかし、それを元ネタに漫画を書き続ける

その漫画と瓜二つの殺人が重ねられる。その殺人は一見すると、怨霊によって引き起こされたものだと思えるが、実は加害者の持つ嫉妬心や恨みに端を発し、その結果として怨霊が生まれていた。(だから、怨霊は人の醜い心情が生み出したもので、怨霊だと考えられているものはすべて醜い心のせいで生まれてしまったものだ!人を殺めてしまっているのは、怨霊のせいではなく自身の醜い精神構造のせいなのだ!というのがこの映画の主題)

最終的には、青二才の部下刑事を殺してしまった先輩刑事とWeb漫画家が直接対決

先輩刑事は、部下を殺した呵責の念をWeb漫画家に煽られることで、怨霊に取り憑かれたかのような状態となり、自身のこめかみに弾丸を撃ち込み、死亡する。それを見てほくそ笑むWeb漫画家
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メインのストーリーラインは、こんな感じですが、実際はもう少し複雑なプロット。(当たり前)
サスペンス要素の強い作品なんで、上に書いたストーリーラインは本当にざっくりとしたもので、実際の作品は思索が重ねられてそうなプロットでしたよ。(しつこい!)
自分自身で読み返しても分かりづらい程、情けないストーリーラインの書き方ですね、ただそれくらい練られた脚本だったということで・・・(しつこい言い逃れ!)
こういった映画は、文章におこして説明するのが難しいなーとは思うのですが、いつものごとく書いていきますね。

よかったところ
◯役者の行動、セリフが人のえげつない感情をえぐる
奥さんが廃人になってしまい、憩いの無い夜の中、介護を続けていた男は「俺を楽にさせてくれ!許してくれ!」と叫びながら奥さんを殺めてしまったり
「私はいくら努力しても書けないのに、なんであなたは書けるの!」と叫びながら首を絞めているシーンは人間の嫌〜なところがえぐられている。
やっていることの浮かばれなさに対する言い訳や、才能への嫉妬心によって引き起こされる美しくない行動は、人が人として生きて行く以上、感じざるをえないものだと思ってますが、いざ映画の中でまざまざと見せつけられると「うわ、やめてよ、俺もそういうこと考えちまうし・・」と鬱っけが出てきますね。

◯ホラー演出の巧みさ
レイティングは一切ついてないにも関わらず、えげつないシーン(目ん玉にナイフをぶっさす直前までしっかり写してるくらい)はあるし、恐怖感を煽る演出がうまい。ちなみにアメリカではR-15がついちゃってるみたいですね。

◯革新的なビジュアル
Web漫画が物語を推進させる重要なアイテムということで、漫画の絵から実写、実写から漫画の絵と、画面を展開させる映像。
実際観てみないとわかりづらいとは思うんですが、
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この描写から
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こんな描写へと黒身なしで展開して、アニメーションとして物語が語られる。漫画の1コマ1コマを追って行くような感覚に。
これは、今まで見たことの無いようなフレッシュさ!間違いなく、疑いようなく、この映画の白眉!(にも関わらず、映画関連サイトの写真には一切載ってないし、予告編でもその描写はごくわずか。マーケティングに関わってる連中に説教をしたい!!!)

よくなかったところ
×プロットの欠陥
自分自身の漫画によって、実際に事件が起こってしまうことがわかっていながらも、その殺害現場について案じて、殺されようとする(自殺しようとする)人を救おうとするWeb漫画家の姿はこっけい。そんなの分かりきったことでしょうに。
要するに映画内人物の行動が設定に伴っていない。
といったところかな。

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主人公のWeb漫画家カン・ジユンを演じるのはプロボクサーでもあるイ・シヨン。この美貌でプロボクサーってまじか!
しかも、韓国版「花より男子」にも出演してたとのこと。日本で言ったら、井上真央がプロボクサーってことですよ、YAVAY!強くて可愛いって最高ですねー。

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監督のキムヨンジュンは、これまでの作品ではこんな感じのハートウォーミングっぽい作品を監督されていたようです。

こう書いてみると、悪いところはあまりないなあ。
ただ“韓国が送り出すホラー映画”と銘打たれてますが、どうでしょうね。ホラーというよりはサスペンスだし、サスペンスというよりは啓発系映画。因果応報啓発映画。仏教的でアジアらしい映画。
恨みや嫉妬心といった、醜い気持ちによって、起こしてしまう行動を何かのせいにするということは、身につまされる話。
醜い気持ちによって、起こした行動を正当化する、その行為がまた醜い。
人を殺めてしまったり、何かに取り憑かれてしまったかのようにならない内に、溜飲を下げるよう、これからも映画を観続けていこうと思います。ストレス解消大事!
なんというかこう、映画の主題がわかりやすく説教くさいもの真面目なものだと、それについて書いた文章も真面目なものになっちゃいますね!

うーん、韓国映画は良作が多いね。いや、そう言うことすらもはばかられる、その事実が暗黙の了解となってしまっている昨今ですね。
しかし、韓国映画って仏教的な思想に根ざした作品が多くないですか?『殺人漫画』は因果応報、『息もできない』は輪廻転生を描いた作品だし。

Web漫画を題材にした作品ということで、Web漫画をちょっと調べてみると結構な数あるもんですねー。
面白くて一気読みするWeb漫画まとめ(2013年版)
ワンパンマンは読んだことがありますが、くだらなくて、そこそこ面白かった、はず。こちらもオススメ!

2013年 韓国 104分
監督:キム・ヨンジュン

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