ロード・オブ・セイラム

ロードオブセイラム(原題:The Lords of salem)
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80点

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ミュージシャンや映画監督など幅広く活躍するロブ・ゾンビが、「ハロウィンII」(2009)以来3年ぶりに手がけた監督作。1692年に米マサチューセッツ州のセイラム村で起こった「セイラム魔女裁判」を題材に、ゾンビ監督が独自の解釈を加えて描き出すホラー。「ロード・オブ・セイラム(セイラムの領主)」と名乗る7人の女性が魔女裁判で死刑を宣告されるが、死の直前に判事に呪いをかけていた。それから数百年後の現代、ラジオ局のDJハイジは、「ザ・ロード」と名乗る何者かから1枚のレコードを受け取る。判事の子孫にあたるハイジは、レコードを再生することで魔女たちの呪いを解き放ってしまう。
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日本公開確定前から、新宿の由緒ただしき輸入ビデオ屋「VIDEO MARKET」さんが太鼓判をおしていたので、期待に胸をふくらませてヒューマントラストシネマ渋谷に(余談ですけど、ここの映画館だけは、何度行ってもちょっと迷う)。満足です、満足。

ストーリーは
地元ラジオ局のDJハイジにレコードが届けられる。
そのレコードを聴くと幻覚が見えてしまう。
また、そのレコードをラジオで放送すると、聴いていた女性たちもおかしくなってしまう。

研究者によって、ハイジはセイラム魔女裁判を仕切った判事ジョン・ホーソーンの子孫であることが判明。

魔女たちは、セイラム魔女裁判以降、ハイジを監視していた。
レコードの送り主である“ザ・ロード”のライブが行われ、ハイジは悪魔の子どもを出産。
参加した女性客は全員死亡、ハイジは行方不明に。

ざっくりと書いたせいもありますが、取り留めのない話ですね!
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言葉にすると、これくらいあっけないのに、映画は雄弁という点も素晴らしい!

登場人物に魅力が全くないのが致命的。
良いところは一つもありません。”
“拷問のごとく早く2時間過ぎればいいと思い続けた映画だった!”
“もう映画作らなければよかったのにね。”

など、某映画レビューサイトでは散々に叩かれてる(すべて原文ママ)今作。
映画に限らず、レビューサイトはよく見るタイプなんですが、こう、1文だけの罵詈雑言を記す人の気持ちがいつになってもわかりません・・・金もらってないとは言え、もう少し自分の書いた文章に責任というか、プライドというか持ちましょうよ、それじゃクレームと大差ないと思うんですが・・・と愚痴っぽくなってしまってすみません・・・

よかったところ
○なんといってもトリッピーな映像。これぞアシッドな映像!
ともすれば「映画じゃなくて映像作品じゃん」と捉えられかねないグラフィカルな映像と、ストーリーのバランス感は、これまでのロブゾンビ作品の中で1番良かった。
タイプは全く違うけど、非現実的な映像を使って、映画をより魅力的なものにする監督では、ロブゾンビ、アピチャッポンが大好きです。
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キャスティングの妙。ロブゾンビ印とでも言うべきか、脇を固める俳優人がすばらしく渋い。(『ゾンビ』でSWAT隊員を演じていたケン・フォリー、『E.T』のお母さん役ディー・ウォーレス、『ロッキーホラーショー』のパトリシア・クインなどなど)
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クラシカルな怪物のビジュアル。
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だめだったところ
×ゴア描写が少ない少ない、そして弱い。
ロブゾンビ監督の過去作『ハロウィン』くらいのものを期待していたので残念。なんというか今までのロブゾンビらしくない作品でした。

×アシッドな映像に夢中になってると、字幕を追えなくなってしまう。しょうがないことなんですけどね!

×よいところでもあるのですが、ロブゾンビ自身の奥さんへの愛情とそれにまつわる感情の渦を映画内に落とし込みすぎ。主演を務めるシェリムーン・ゾンビ(皆さんご存知の通りロブゾンビの実妻)を支えようと気を揉み続けるDJ仲間の俳優はロブゾンビそっくり!

セイラム魔女裁判についてや、キリスト教について、セイラムの土地性とキリスト教の関係についての知識が乏しいので、推し量りきれてない部分も多くあったとは思うものの、単純に、どんどんと飛び出てくるトリッピーな映像が気持ちよかった。そして、悪魔が復活するという、バッドな展開によって得られるカタルシスは至福のもの。
恥ずかしながら、基本的にこういうドラッグムービーが好きなんでしょうね。あまり評判の芳しくない『SPUN』も好きですし、『プッシャー』シリーズも大好き、『LOOPER』のキメる瞬間のシーンはDVDで2,30回くらい見返してぎゃはぎゃは笑ってたので。

激しく情緒的な映像で引っ張って、話のスケールがどんどんと大きくなっていただけにラストのオチの弱さは批判の対象になりそう。確かに、ひざかっくんをされたような気にはなるものの、主人公のその後については“ちゃんと”はっきりさせず、余白を残してくれたので満足です。
悪魔が憑き、行方不明になってしまったハイジはどうなったのかな。死んでるかもしれないし、悪魔として生きているかもしれないし、映画秘宝で添野さんも書いていたように、また何も知らない自分に戻ってしまっているかもしれない。

ちなみに、魔女役を演じていたパトリシア・クインは本当に大好きな女優、もはや好みの女性でして。若い頃もとても美しいんですよ・・・
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最後に、映画ブロガー?三角締めさんのブログにロブゾンビの監督したCMにYouTubeが埋め込まれてました。気になる方はぜひチェックしてみてください!
『三角締めでつかまえて』

いやあ、やっぱ良かったな。ラスト10分のドラッギーな映像を観たいがために、もう一度映画館に足を運んでしまうかも。

こんなドラッギーな映画を観てしまったからか、映画館から自宅までの帰路でドラッギーラーメンのキング“ラーメン二郎”で小豚を喰らって腹痛に・・後悔・・・

2012年 アメリカ 101分 R-15
監督+製作+脚本:ロブ・ゾンビ
製作:ロブ・ゾンビ、ジェイソン・ブラム、アンディ・グールド、オーレン・ペリ
製作総指揮:ブライアン・カバナー=ジョーンズ、スティーブン・シュナイダー
撮影:ブランドン・トゥロスト
美術:ジェニファー・スペンス
編集:グレン・ガーランド

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