青い春

青い春

aoiharu

70点

 
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新世代の不良達、それぞれの「青い春」。
男子校・朝日高校。不良グループはいつも屋上に集まっていた。ある日、新3年生になった彼等は柵の外に立って何回手を叩けるかを競う通称「ベランダ・ゲーム」をやっていた。誰よりも多く叩いた者は学校を仕切る事が出来るが、失敗すれば校庭に真っ逆さまという伝説の根性試しゲーム。そしてその日8回という新記録を出したのは物静かな九條という男だった。しかし九條にとっては学校の仕切りもそんなゲームも無意味でどうでもいいことだった…。+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

1998年に刊行された同名漫画『青い春?松本大洋短編集』のエピソードをまとめ、映像化した『青い春』を5,6年ぶりにDVDで鑑賞。はじめて見た時の記憶がなかっただけに、微妙だったんだろうなーと思いながら見たものの、思いのほか良かった。
はじめて松本大洋を読んだのは、14歳の頃(多分)にブックオフで買った『青い春』で、それ以来『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『ナンバーファイブ 吾』と松本大洋作品を読みあさっていた、分かりやすくサブカル少年だったので、少しばかり思い入れのある原作だが、映画『青い春』は、漫画版では別々とされているエピソードを巧みに横断し、よくまとめている。豊田利晃が「俺にしか撮れない」と豪語しただけはあるし、ストーリーが進むにつれ「こりゃ、ATGとはまた違ったタイプの“日本ヌーヴェルヴァーグ”じゃー!」とまで感じてしまった。それだけ、強度のあるラストシーン。
レイティングで見ることができる人を限ってまで、血ばかりを見せたがる最近の日本映画らしものとは違った、スマートかつクールなノワール的強度(なんのことを言ってるのかじぶんでもわからない)がゼロ年代にもあったんだよなあ、ってことを改めて痛感した。

○よかったところ
・喧嘩・リンチが起こる度にいれこむジャンプカット。この編集のおかげで映画にテンポが生まれている

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・抜群の学生ヤンキー感演出(キャスティングの妙)

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・ごく映画的な行動を起こさせることで、鑑賞者に空白を与えるラストシーン。ニューシネマやヌーヴェルヴァーグの魅力とヤンキー文化の刹那性がみごとに融合してる

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× だめだったところ
・音楽がよくない。ミキサー居ないんじゃ?!と思ってしまうほど、音楽の音量が変わらない
・音楽がミッシェルガンエレファントであることの必然性の無さ
・ところどころ浮くセリフ。まんがのセリフを言わせるだけにしょうがなさはあるものの、「ウルトラ警備隊」というワードを生身の人間に言わせるのは、リアリティ問題で一歩引き気味になってしまう。

編集めちゃくちゃうまかったなと思ってチェックしてみると『桐島、部活やめるってよ』でも編集を手がけた日下部 元孝という方だそうです。この人はほんとに“しれっと上手い”編集をするなあ、ってことでメモ。他の作品だと『フレフレ少女』『ICHI』『ホノカアボーイ』『ランデブー!』『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』『ソフトボーイ』『わさお』『カイジ2 人生奪回ゲーム』『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』などを担当されているらしい。邦画に明るくないのでほとんどわかりませんが・・・彼の編集目当てで見ようかなとすら思う。
一方、監督の豊田利晃は、今作以降ぱっとしたヒットは飛ばさず、近年だと『I’M FLASH』(醜い言いっぷりだけど、胸を張って最悪だ!と断言できる一作。藤原竜也が叫び喚いてるだけの映画、ほんとにそれだけ)を監督。次回監督作品は2014年公開の『クローズEXPLODE』とのこと。もっと撮れる人だと思うだけに残念。ONCE AGAINしてほしいもんです。

2001年/日本 83分
監督+脚本:豊田利晃
原作:松本大洋
撮影:笠松則通
美術:原田満生
編集:日下部 元孝
音楽:上田 ケンジ

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